本プロジェクトは、日鉄興和不動産が展開するオフィスビル「BIZCORE」シリーズにおいて、最大規模のセットアップオフィスとして計画されたものです。専有面積は約450㎡、1フロアすべてを活用し、入居時に必要な機能をほぼ備えたフルセットアップオフィスとして設計されました。
これまでセットアップオフィスは、15坪前後の小規模な空間が主流でしたが、そうした環境で成長した企業が、規模拡大後もその利便性を求めて同様のオフィス形態を選択する傾向が見られるようになっています。さらに近年では、機能性に加えて空間の質への関心が高まり、企業の成長段階にふさわしい環境が求められるようになりました。本プロジェクトは、その変化を背景に、日鉄興和不動産のプロジェクトにインターオフィスが参画し、実現した取り組みです。
インターオフィスは、家具提案、サブスクリプション、内装を担当しました。計画のテーマは「Comfort(心地よさ)」です。
BIZCOREが掲げる「きもちいいほど、はかどる」というコンセプトに呼応し、ポストコロナにおける働く場として「暮らすように働く」という感覚を軸に据え、求められる機能を満たしながら、流行に左右されないタイムレスなデザインとしています。
また、エリアごとに雰囲気を意図的に切り分けることで、場所を移動するだけで自然と気持ちが切り替わるような空間体験を目指しました。
エントランス・会議室エリアは自然光が入らない環境を活かし、ホテルのような上質感のあるトーンとし、執務エリアは大きな窓から自然光が差し込む開放的な環境を活かし、目的に応じた複数のゾーンに分けています。光の質そのものが、エリアの性格を決める大きな要素となっています。
エントランス・会議室エリアでは、シャープなガラスパーティションとクラフト感のあるタイルや和紙の照明をあえて組み合わせることで、心地よさの中に少し異質な感覚を加えています。柱のタイルはビル1階エントランスと同じシリーズを採用し、建物全体との連続性も意識しました。
執務エリアは、一部のエリアにエントランス・会議エリアの木調の床材を引き込みつつ、集中、ミーティング、休憩、偶発的なコミュニケーション——それぞれのエリアの特性を明確にすることで、場所を選ぶことが自然と気持ちの切り替えにつながるように設計しています。機能と心地よさ、シャープさと温かさなど、一見相反する要素をフロア全体でバランスさせることが、本プロジェクトのテーマでした。
働く場としての合理性と、人が過ごす場としての心地よさを両立させることで、現代のオフィスに求められる新たなスタンダードを提示する空間となりました。
- Project Member
-
設計・PM インターオフィス
施工 鴻池組
- Partners
-
撮影 堀越圭晋 / SS
- Spec
-
東京都港区














